【労働力を補う!】アルバイトの雇用に掛かる費用と労働力を補うその他の方法とは?
現状の仕事に対して、人を雇うか否かを判断するのは経営判断の難しいところです。
私自身、人事を携わってきた人間として、募集を掛けるコスト、書類選考や面接を行う労力、希望とする人材が中々来ないストレスなど様々経験して参りました。
人を雇うことによってどのぐらいの生産性を生むことができるのか、逆に採用費用や人件費等でどのくらいのコストが掛かるのか、経営者や人事を担当する者としては、現時点での収支のバランスを見て慎重に判断しなくてはなりません。また、採用する場合は、正社員なのかアルバイトなのかも選択せねばなりません。
最近ではアルバイトを雇うにあたって掛かる費用が高くなっている傾向にあるため、本記事では、その理由やアルバイトを雇う以外の労働力を補強する方法についても解説していきたいと思います。
アルバイトを雇う費用
まず、アルバイトを雇う費用を項目別に紹介していきます。
- 採用するにあたっての初期費用
- 雇用している期間の人件費
- 退職時に掛かる費用
アルバイトを雇う際に考えなければならない費用は、主に上記の3点です。
採用するにあたっての初期費用
採用などの初期費用に掛かるのは、求人広告代や採用通知・不採用通知の発送費用、面接や書類を作成する人事担当の人件費など細かく挙げると沢山存在します。
ハローワークに頼めば広告代は掛かりませんが、すぐに応募が来ない、優秀な人材を採用しにくいといったデメリットもあります。早急に人材を確保したい場合、ハローワークと民間の求人広告媒体を併用して募集するのも一般的です。
また、人を雇う際には、社会保険等の加入手続きが必要です。自分で一から勉強して行う分には費用は発生しませんが、社労士に依頼する場合は社労士報酬を払わなければなりません。
この項の冒頭でも記述した通り、人事担当の人件費といった、見えない経費として面接などで要する「時間」が挙げられます。その時間も仕事をしていた場合に想定される利益が、面接をはじめとした採用活動によって失われていると考えられます。
雇用している期間の人件費
雇用している期間の人件費は、「給与」「賞与」「社会保険料」です。
社会保険料は、労災保険料と雇用保険料に分けられ、労災保険は必ず負担しなければなりません。雇用保険料は週20時間以上働く場合に支払義務が生じます。
人を雇用する場合は、社会保険の適用要件を満たしているかどうか、法律に沿った処理が出来ているかどうか注意をする様にしましょう。特に、所得税の天引きをしていないと、税務調査で過去にさかのぼって多額の追徴課税をされてしまうケースもあります。
退職時に掛かる費用
退職金や社会保険手続きにかかわるものが一般的です。
パート・アルバイトで退職金規程がある会社も少ないとは思いますが、退職時には秘密保持同意書の説明や社会保険の喪失手続きなど様々な業務が発生致します。
退職時に万が一トラブルが発生した場合、社労士に交渉をしてもらうのであれば、その分の費用も発生します。
アルバイトを雇用する費用が高くなっている3つの理由
ここまで、アルバイトを雇用する場合の費用について分かりやすく解説しました。アルバイトを雇うだけでも、見えるコストと見えないコストが発生することをご理解頂けたかと思います。
また、近年では人を雇うためにかかる費用が高額化しております。続いてはその理由を解説致します。
最低賃金の上昇
アルバイトを雇用する場合、必ず最低賃金以上の賃金設定にしなければなりません。
最低賃金は、法律に基づいて定められており、毎年秋ごろに改定されるのですが、最近ではどの都道府県でも最低賃金が引き上げられております。
【東京都の最低賃金】
2015年…907円
2016年…932円(昨年からの上り幅+25円)
2017年…958円(昨年からの上り幅+26円)
2018年…985円(昨年からの上り幅+27円)
2019年…1,013円(昨年からの上り幅+28円)
2020年…1,013円(昨年からの上り幅±0円)
2021年…1,041円(昨年からの上り幅±0円)
上記の様に、ほぼ毎年20円後半の最低賃金が上昇しており、たとえば週20時間働くアルバイトが3人いた場合、年間で約80,000円程度の人件費が上がることになります。
これが毎年続くと考えると恐ろしいです。政府は年率3%を目安に今後も引き上げていくと発表しているため、いずれは全国平均が1,000円になる予定です。経営状況も踏まえ、アルバイトを雇用するかどうかは慎重に判断するようにしましょう。
人材不足による競争激化
最近では、人材不足により人を雇用するハードルが以前よりも高くなっています。業種や雇用条件にもよりますが、募集をかけてもすぐに人が集まるとは限りません。ハローワークしか求人を出していないのであれば尚更です。
そのため、民間の求人広告媒体を使用してPRする企業が増えてきているのですが、民間の求人広告を出す際は、掲載ボリューム、期間等によって大きく変動するため、大きな費用を使用して募集を行うこととなります。
帝国データバンクの「人材不足に対する企業の動向調査」では正社員が不足している企業は45.9%、非正社員が不足している企業は27.3%にものぼり、人材不足を痛感している企業が多いことがわかります。
そのため、アルバイトを雇用するにも求職者にとって、わかりやすく魅力的な雇用条件を提示する必要があります。競争相手となる同地域・同業種の求人と比較し、時給や福利厚生の条件をよくすると、その分費用が掛かってしまいます。
転職先を探しやすい
最近は簡単に転職できてしまうため、なかなか長続きせず、頻繁に採用費用・退職費用が発生してしまうのも人を雇用する金額が高額になる理由です。
ひと昔前の日本では、勤め始めたら同じ職場で長く働きたいと考える人が大半でしたが、最近ではインターネットなどを通して簡単に転職の情報収集が出来ます。テレビCMを見ても分かる様に、転職を促すような転職サイトも巷にあふれています。
また、昇給や有給などの情報を簡単に入手できるため、雇用条件に不満を持つアルバイトも少なくありません。こういったことから、転職を頻繁に繰り返す人もいるのが実状です。
「やっと苦労して人を雇用したのに、すぐに辞めてしまった」という悩みは経営者の方からよく聞きます。こういった事情を踏まえて、アルバイトを雇用するかどうか真剣に検討しましょう。
アルバイトを雇用する以外で労働力を補う方法
最後に、アルバイトを雇用する以外に労働力を補う方法を紹介します。現実的な施策として、オンライン秘書(別名:オンラインアシスタント)の活用があります。
オンライン秘書とは、チャットやメールなどを通じて仕事を依頼できるアウトソーシングのシステムです。契約プランごとに1カ月ごとの時間が決まっており、時間内であれば様々な業務を任せることができます。
オンライン秘書に依頼できる業務は以下の様なものがあります。
- 経理:クラウドツールの導入サポート、振込・支払代行、記帳代行、経費精算など
- 総務/秘書:備品購入代行、出張手配やお店の予約、資料作成、リサーチ、メール対応など
- 人事:給与計算、求人広告の出稿と管理、面接調整、入退社手続き、勤怠管理など
- Web運用:Web編集、SNS・EC運用代行、クラウドソーシング管理、画像加工編集など
インターネットを通じて仕事を依頼する方法としては、オンライン秘書の他にクラウドソーシングもあります。クラウドソーシングとはクラウドソーシングサイトを通じて、働き手と依頼主をマッチングするサービスです。
有名なのは「クラウドワークス」や「ランサーズ」です。しかし、クラウドソーシングでは必要なスキルを持った人材を依頼内容ごとに募集しなくてはなりません。そのため、募集や選別に掛かる時間が、依頼する業務の時間を超過してしまう事も多々あります。
クラウドソーシング「ランサーズ」会員募集 (無料)オンライン秘書サービスを提供している事業者は多数存在しますが、格安且つ有能なオンライン秘書を提供している「フジ子さん」では2時間無料のトライアルがあります。オンライン秘書を始めて活用する方、検討している方は、まずは試しに使用感を確かめてみてはいかがでしょうか?
最後に
本記事では、アルバイトを雇用する費用について詳しく解説し、労働力を補うための他の施策も紹介しました。
人に任せられる仕事を経営者がこなしている状況があるとするのであれば、それは経営上望ましくありません。事業を成功させるには、雑務は人に任せて経営者は経営に専念する必要があります。
正社員やアルバイトを雇用することはもちろんですが、オンライン秘書などのアウトソーシングサービスを利用することも積極的に検討すると、状況は一転するかもしれません。
オンライン秘書と言えど、秘書業務のみならず、経理業務や人事労務など、多岐に渡る業務を手軽に外注することが出来ます。業務の切り分けが出来れば、経営としてのリスクヘッジにもなり、何より雑務から解放されて生産性のある業務に専念できるのが最大のメリットです。